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宮崎県の宮崎市は社天国と呼びたくなるほどの神社があります。

佐土原町上田島

稲荷神社

宮崎県宮崎市の小さな神社たち/稲荷神社

ここには田島七郎左衛門祐明さんの娘さんの安姫という女性の、恋人だったかも しれない能楽師が祀られていると伝えられています。 安姫さんが能楽師とお付き合いをしている、と聞いた父親の田島七郎左衛門祐明 さんは、とっても怒ってなんと安姫さんを池の中に沈めてしまいました。 そして一週間程経過した後に水中から引っ張り上げたのですが、水死体にしては 血色も良くさらに笑みを浮かべているようにも見えたのです。 この安姫さんは祟りをなすということで安宮大明神として祀ったのですが、お相手 の能楽師の方も同じようなことになりました。 こちらは稲荷大明神として祀られ、それがこの稲荷神社です。 現代人からしてみればよくわからないストーリーですが、昔は身分の違う者が 結ばれるのはあまり喜ばれなかったようで、そんなことになるのなら殺してしまえ という発想も珍しくはなかったのです。 しか身分の低い相手の男性だけを、というのならまだしも自分の娘まで、 というのは容赦のない話ですね。


八坂神社

この神社の祭礼は宮崎県の中でも愉快な部類に入ります。 祇園祭りが開催される夜、それが一年で最も佐土原町が輝く晩でしょう。 この日は空き家以外の住宅全て、外から屋内が見えるように窓を開放します。 丸見えにするためですが、何を見せようというのでしょうか。 風呂上りのセクシーな姿でもなければ漫才のネタを見てもらうためでもなく、 製作した人形を通りから観察してもらうのです。 サイズは人間と同じ大きさで、卓上に飾られるフィギュアなんか目じゃないほど 生々しく、今にも動き出しそうな雰囲気を醸し出せれば勝ちです。 街中の住宅でこのような演出がされるので、夜なのに外を歩きながら見てまわる のが祇園祭りの醍醐味となっています。 この地域の方は手先がきっと器用なのでしょうから、プラモデルなんかも福岡県 や長崎県出身の人よりも素早く組み立てることができそうですね。


浦安四柱神社

この神社にはとても恐ろしくて悲しい伝承が残されています。 佐土原のお殿様とその奥さんが平和に暮らしていたのですが、お殿様は外で 素性の知れぬ娘さんを見かけて、気に入ったからとお城に連れて帰りました。 現代社会でもしも普通のサラリーマンがそんなことをしたら、奥さんは怒って 離婚騒ぎに発展しそうですが、殿様ならこんなことも当たり前の時代だったのです。 ある日奥さんが殿様の足を丁寧に洗っていると両足とも腫れあがる事件が発生 したのですが、殿様のお気に入りの娘がそれを目にして「奥さんて毒蛇なんだよ、 だからこんなに腫れちゃったんだ。なんて可哀想な殿様なんだろう」といった ことを口にしたのです。 それを真に受けた殿様は長年の夫婦生活を解消し、城から元嫁を追い出したの ですが納得できるわけがありません。 池に身を投げ、永遠に呪ってやると宣言して本当に呪いました。 この奥さんを祀ったのが浦安四柱神社という話です。